藤井風の『青春病』どこか甘酸っぱくて切ない!この曲はどんなメッセージを含んでいるのか知りたい!
そう思ったあなた!
この記事を読めばこの詩の魅力がさらにわかります!
オラ!アジャノです!
普段は音楽の記事や言語の記事を書いています。
今回は「青春病」に込められたメッセージを徹底解説&考察します!
歌は様々な解釈があるべきなので、個人の解釈として参考までにお願いします!
藤井風初のワンマンライブ『NAN-NAN SHOW 2020』Blu-rayが遂にリリースされました!
【藤井風/青春病】歌詞を徹底考察!葛藤し過去を受け入れ、前へ進む歌
懐かしさや甘酸っぱさを感じさせるメロディーに加えて、「僕」「君」などの呼び方が使われており、新鮮ですよね。
この歌で特徴的なのはサビと他の部分の対比だと思います。
サビでは現実を見て、サビ以外では青春のきらめきから離れられない様子を歌っています。
この歌は過去に囚われるのではなく、断ち切るのでもなく、受け入れよう。
そんなメッセージが込められているではないかと思いました。
そして歌が進むにつれて主人公が過去を受け入れ、前を向いて成長していく姿が見事に描かれた曲だと思いました。
そして、これは青春に限った事ではなく、忘れられない過去がある人も共感する歌だと思います。
あなたの忘れられない過去を思い浮かべながらぜひ解説をご覧ください。
青春病 1番
青春の病に侵され
青春病/藤井風
儚いものばかり求めて
いつの日か粉になって散るだけ
青春はどどめ色
青春にサヨナラを
解説:青春は儚く粉になって散るだけ。青春の病。
普段、青春はポジティブな文脈で語られることが多いですよねが、そうではなさそうですね。
詳しく歌詞を見ていきます。
ヤメた あんなことあの日でもうヤメた
青春病/藤井風
と思ってた でも違った
僕は 自分が思うほど強くはなかった
ムリだ 絶ち切ってしまうなんてムリだ
と思ってた でも違った
僕は 自分が思うほど弱くはなかった
解説:軽快なリズムと共に語られます。
その時思っていたことが、時が経って後から振り返ると全然違った。
そんな経験をしたことはありませんか?
青春ではまさにそうですよね。
一喜一憂の多い青春時代。
様々な感情になりますが、時間が経ってから振り返ると大きな勘違いが見つかることもあります。
君の声が 君の声が
青春病/藤井風
頭かすめては焦る
こんなままじゃ こんなままじゃ
僕はここで息絶える
解説:君の声は「青春の思い出」そのものを例えているように思えます。
なんとかしないと「ここ」で息絶える。
こことはどこでしょうか?
これは、青春そのものから抜け出せなくなってしまうということです。
つまり、過去に囚われてしまっており、何とか抜け出そうとしています。
止まることなく走り続けてきた
青春病/藤井風
本当はそんな風に思いたいだけだった
ちょっと進んでまたちょっと下がっては
気付けばもう暗い空
解説:走り続けて「きた」。思いたいだけ「だった」。
ここでは過去形が使われています。これは2番の歌詞との対比です。
走り続けるような輝かしい青春。
過去を振り返ると良い思い出だけが強烈に蘇って「あの時」に戻りたくなるかもしれません。
しかし、現実は一進一退。
青春とは先が見えないまま葛藤し、もがきながら生きていた時期ではないでしょうか?
青春の病に侵され
青春病/藤井風
儚いものばかり求めて
いつの日か粉になって散るだけ
青春はどどめ色
青春にサヨナラを
解説:サビでは現実と向き合おうとしています。
「青春はバラ色」
そんな風に表現されることが多いですよね。
どどめ色という言葉を初めて聞いた方も多いかもしれません。
これには様々な意味があります。
絵の具を全て混ぜた色、アザの色などネガティブな色と表現されることもあれば、
深みのある美しい色や成長を表すこともあります。
まさに青春とはそれら全てではないでしょうか?
バラ色のように誰が見ても美しい色ではない。
つまり、楽しい時や甘酸っぱい思い出だけでなく葛藤、もがいて生きた経験などがあり、その全てが合わさって「青春」であると。
青春は、人生の春とも言われています。
つまり、桜のようにぱっと咲き誇っても、散るのも一瞬である。
その青春と断ち切ろうとしています。
しかし、囚われないために過去を断ち切るのは果たして正解なのでしょうか?
曲が進むにつれて心境の変化があります。2番に進みます。
青春病 2番~大サビ
そうか 結局は皆つながってるから
青春病/藤井風
寂しいよね 苦しいよね
なんて 自分をなだめてるヒマなんて無かった
解説:「みんな繋がっているから大丈夫」
青春が終わってもみんないつでも会える。
とはいえ、一人一人違う道を歩いていきますよね。
そして段々と過去、青春の思い出が遠ざかっていきます。
ここではその不安やもやもや感を表現しています。
君の声が 君の声が
青春病/藤井風
僕の中で叫び出す
耳すませば 耳すませば
何もかもがよみがえる
解説:1番では頭の中でかすめていた「君の声」が叫び出します。
つまり、自分の心の中で過去、青春への思いがさらに強くなっていこうとしています。
止まることなく走り続けてゆけ
青春病/藤井風
何かが僕にいつでも急かすけど
どこへ向かって走り続けんだっけ
気付けばまた明ける空
解説:1番では「過去形」でした。
2番では「未来」を歌っています。
青春の真っ只中で「何か」に急かされている経験がある人は多いのではないでしょうか?
子供から大人への過渡期であり、大人にならなきゃいけないという焦燥感から背伸びをしてしまう時期でもあると思います。
そして自分が何を目指して頑張っているのかわからなくなる時期でもありますよね。
ゴールの場所がわからないまま、ひたすら走り続けるマラソンのように。
ここでは「過去」も「未来」もどうしたらいいのかわからなくなってしまっています。まさに葛藤と言えるでしょう。
その答えが次でわかります。
無常の水面が波立てば
青春病/藤井風
ため息混じりの朝焼けが
いつかは消えゆく身であれば
こだわらせるな罰当たりが
解説:ここで今までとは全く曲調が変わります。
仏教の根本となる概念が歌われています。
ここはハイヤーセルフの言葉なのかなと思いました。
「ハイヤーセルフって何?!」と言う方は何なんwの歌詞解説で詳しく紹介しているので合わせてご覧ください。
【藤井風/何なんw】デビュー曲の歌詞の意味を解説!ハイヤーセルフ?
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この世は諸行無常。
全ては変わり続ける。ずっと続くものはなく人生は儚いもの。
朝焼けは雨の前兆と言われています。この雨は、罰や野ざらしと繋がっているのかなと思います。
仏教では一切皆苦という言葉があります。人生は思い通りにならないという意味です。
つまり、人生は無常で儚く、思い通りにいかない。
それなら今を生きずに、思い通りにならない過去や未来にこだわるのは罰当たりではないか?そう語りかけているのではないでしょうか。
切れど切れど纏わりつく泥の渦に生きてる
青春病/藤井風
この体は先も見えぬ熱を持て余してる
野ざらしにされた場所でただ漂う獣に
心奪われたことなど一度たりと無いのに
解説:「泥の渦」
過去に囚われる様子をこのように例えています。
それと同時にやりたいことも見つからず、行き場のないエネルギーを抱えたまま葛藤している。
つまり、未来が見えないために何もできないでいると。
おそらく真実はとっくに知っている事を知らないだけなのかもしれません。
「野ざらしにされた場所でただ漂う獣」
これは「今」そのものを表しているのではないでしょうか?
つまり、今を直視するのが怖いから過去に憧憬を抱き、見えない未来のために動けずにいる。
青春のきらめきの中に
青春病/藤井風
永遠の光を見ないで
いつの日か粉になって知るだけ
青春の儚さを⋯
解説:他のサビでは「散るだけ」「さよなら」と決別を表現しているのに対して、
ここでは「知るだけ」と表現しています。
これは本当の意味で現実と向き合い、過去を「断ち切る」のではなく「受け入れる」ことができたのではないでしょうか?
これ自体も青春からの成長であると言えます。
あの頃があってこそ今があります。
そして、今もいずれ「過去」になります。
そうであるならば、1番大切にしなければいけないのは今この瞬間。
青春病、過去に囚われずに受け入れる歌?
青春をこのような角度から表現したのは風くんが初めてではないでしょうか?
忘れられない過去を受け入れて前を向くためには今を見るしかないのかもしれません。
少し厳しいですが、私には青春から抜け出せない人へ救いの手を差し伸べてくれる優しさに見えました。
大人と青春時代って境界が曖昧ですよね。
大人になったら自動的にいろいろなことがわかるわけではないので、青春をずっと引きずる人もいるかも知れません。
そこで
「過去を大切にするのは良くても、囚われてしまったらずっとそのまま生きていかなきゃいけないよ」
風くんはこのように忠告してくれているように私には聞こえました。
「いつまで引きずる中二の時」
キリがないからとも共通するメッセージも込められていますよね。
みなさんの青春はどのようなものでしたか?
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今日も読んでいただきありがとうございます!