藤井風の『青春病』エモい・・。この美しくて切ないミュージックビデオはどんなメッセージを含んでいるのか知りたい!
そう思ったあなた!
この記事を読めばこのMVの魅力をさらに味わえます!
オラ!アジャノです!
普段は音楽の記事や言語の記事を書いています。
今回は「青春病」のMVに秘められたメッセージを徹底解説&考察します!
藤井風初のワンマンライブ『NAN-NAN SHOW 2020』Blu-rayが遂にリリースされました!
それではいきましょう!!
藤井風【青春病】MVを徹底考察!青春は刹那的だからこそ強烈に美しい
90年代の映画を見終わったかのような感覚になるMVです。
風君のMVは、いつも期待のさらに遥か上を超えてきます。
MV全体のメッセージ
青春病のMVのロケ地は沖縄。
アメリカンビレッジやA&W牧港店が登場しています。
MV全体で感じたのは、風くんは青春を悲観的に捉えているわけではないということ。
歌詞だけを見ているとあまり青春に良い印象を抱いていないのかと思ったのですが、このMVを見たことで新しい発見がいくつもありました。
このMVでは多くの場面で「青春」のキラキラとした美しさが鮮明に描かれています。
似ている似ていないの差はあれど、このMVを見ることで皆さんもそれぞれの青春を思い出したのではないでしょうか?
私が特に好きな部分は色違いのスウェットを着ながらみんなで踊っている部分。これはライブでやるのが楽しみですね。
一方で、描かれているのはキラキラした場面だけではありません。
例えば2番の始めの部分では青春の切なさや、苦しさが描かれています。
風くんが切ない顔をして天を仰いでいたり、彼の友達がバイトで何か思いつめたような表情をしていたりと、いつも楽しそうに見えたメンバーもそれぞれが考えもがきながら生きていることを表しています。
このMV全体でのメッセージは
青春は刹那的である。だからこそ、強烈に美しい。
ということかなと思いました。
またMVで登場する風君の友達。
ここで多様性も表現しているように思いました。
肌の色、髪型、性別みんな違いますが、一人一人が尊重しあっているように見えます。
そして、1つ1つのシーンについてですが、これは意味を「考える」と言うよりは「感じる」部分なのかなと思いました。
とはいえ、特に重要なメッセージを持っていると思ったシーンもあったのでそこを解説していきたいと思います。このMVではエンドロールもかなり重要になってきます。
1番
海辺を走る~タイトルが左右対称
風くんが海辺を走るところからこのMVは始まります。
これほど美しく、そしてどこか切なく走る人を初めて見ました。
そして皆さんもお気付きの通り、タイトルが左右対称になっていますよね。
これは何を意味しているのでしょうか?
私は青春の二面性を表しているのではないかと思いました。
青春の光の部分と影の部分は表裏一体である。
つまり、青春は希望と絶望が同時に存在しているということ。
酸いも甘いもあるのが青春であるということ。
甘い部分(つまり、青春の輝きの部分)だけにフォーカスされがちな現代。
しかし、一方でみんな漠然とした「将来」に不安を抱き、子どもと大人の狭間でもがき苦しむ時期でもある。
そういった二面性を表現しているように思いました。
2番~大サビ
海辺で燃えている~雨に打たれるシーン
海辺でラクロスのゴールが燃えている印象的なシーン。
ラクロスのゴールは彼らの青春そのものを象徴しているように思います。
それが燃えているのを眺めている。
切ないのにどこか美しいシーンではないでしょうか?
青春は、火のように美しく輝くけどいつかは儚く消えてしまう。
そして、青春は火のように人の成長を助ける一方で、人を傷つけてしまうこともある。
つまり、青春時代に酸いも甘いも経験しながら成長していける一方で、青春が終わった後もずっとその永遠に思えた輝きに引きずられてしまうことがある。
このようなメッセージが込められているように思いました。
友達と一緒に雨に打たれているシーンは、楽しいことも苦しいことも1人ではなくみんなで分かち合ってきたということを回想しているのかもしれません。
青春は楽しい部分だけでなく苦しい部分もたくさんありますが、その苦しい部分さえも時に美しく儚く見えることがありますね。
青春は、刹那的で儚いものである。
だからこそ、その輝いている時は眩いほどの強烈な美しさを放っています。
エンドロール
今回のMVでは、エンドロールも大切なメッセージを含んでいるように思いました。
写真が一つ一つ大切にめくられていくシーン。
プリントアウトされた写真にはまさにその瞬間が切り取られています。
椎名林檎「ギブス」ではこのような一節がありました。
「だって写真になっちゃえば あたしが古くなるじゃない」
写真になった瞬間にそれは過去のもの、つまり今とは一線を画すものになる。
その一方で、このエンドロールでも映し出されているように、写真それ自体は本当に輝いていて美しい。
この写真の美しさと儚さは青春の二面性に似ているように思いました。
美しく輝いている一方で、どこか遠くて儚いもの。
それが青春であるように思います。
「青春病」は風君の実体験を元にした歌?
青春は刹那的であるからこそ、美しい。
夢や幻想に近いものなのかもしれません。
ただ、この青春を「良い/悪い」という二元論で決めつけるのではなく、その全てを受け入れつつも「青春に執着しすぎてはいけないよ」と警鐘を鳴らしてくれている風くんはさすがだと思いました。
そして、これはまだ若い風くん自身が自分の青春を元にした実体験によるものでもあるのかもしれません。
岡山の穏やかな街で育った風くんがいきなり東京という日本の中心へ行き、圧倒された時期もあったと思います。
そんな時に思い出すのは青春時代の全てを過ごした故郷。
「あの頃に戻りたい」
何度もそう思ったことがあるのかもしれません。
しかし、少しずつ第二の人生を受け入れながらその美しくも切ない青春と折り合いをつけ、前へ進むことを決めた「覚悟の歌」なのではないでしょうか?。
そう思うとこの歌は、さらに特別な意味を帯びてきますよね。
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