藤井風 罪の香り

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【藤井風/罪の香り】歌詞を徹底考察!欲望との葛藤を歌った優しい曲

2020年5月25日

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疑問に思う人

藤井風の『罪の香り』かっこよすぎる!この曲はどんなメッセージを含んでいるのかもっと知りたい!

そう思ったあなた!
この記事を読めばこの詩の魅力がさらにわかります!

オラ!アジャノです!
音楽の歌詞考察の記事を多く書いています。

今回は「罪の香り」に込められたメッセージを徹底解説&考察します!
前回の【藤井風】帰ろう (歌詞に込められたメッセージを徹底解説&考察)が大好評だったため、第二弾です!

歌は様々な解釈があってしかるべきなので、個人の解釈として参考までにお願いします!

藤井風初のワンマンライブ『NAN-NAN SHOW 2020』Blu-rayが遂にリリースされました!


それでは行きましょう!!

【藤井風/罪の香り】歌詞を徹底考察!欲望との葛藤を歌った優しい曲

まず、彼の書いたセルフライナーノーツ(彼の曲の解説)には

罪への恐れを歌った楽曲。

藤井風

とあります。

彼は英語タイトルを「Flavor of sin」と言っていました。
Sinとは犯罪の罪ではなく、宗教上の罪を指し、口語では不道徳などとして使われます。

「禁断の愛を歌った歌じゃないの?」と思うかもしれません。

たしかにそれもあると思いますが、私はもっと広い意味があるのではないかと思いました。

私はこれと歌詞を踏まえた上でこの曲は

欲望との葛藤を歌った優しい歌
だと思います。

欲望は愛、お金、人間関係あらゆるものに対してです。
何もせずだらだらしたいなど、無気力な欲求なども含まれると思います。

では、優しい歌とはどういう意味なのか?

それでは一つ一つの歌詞を丁寧に見ていきます。

あなたの中にある欲望を当てはめてこの解説を見てみてください。

罪の香り 1番

声も聞かさないで 出て行って
いったい何が欲しいわけ
何も触らないで ほっといて
何も求めちゃいないのに

罪の香り/藤井風

解説これは人ではなく、心の中の欲望に話しているのだと思います。
心の中にまた欲望が入ってきており、何もしないで出て行ってと言っています。

怠惰がうるさいのよ いつも落ちる方がラクなの
だけど ハートが分かってるの
あとで死ぬほど 泣かなきゃいけないこと

罪の香り/藤井風

解説怠惰はすべきことをせず、だらしないという意味です。

そのため、怠惰がうるさいとは、怠惰が理性に自分の中で勝ってしまうということです。
理性は次で解説します。

怠惰が理性に勝つとは、自分の心を律することができず、欲望に「落ち」てしまうということです。
抵抗すると疲れますよね。
だからそのままにしておいた方がラクということです。

とはいえ、あとで欲望に負けることで後悔するということもわかっています。

理性がショボいのよ 気づかぬフリで甘やかしてるの
だけど そろそろ耐え難いの
別の恐怖と 今は戦ってるの

罪の香り/藤井風

解説:理性は欲望を抑える役目ですよね。
それが弱いので、欲望を甘やかす=欲望をそのままにしてしまっています。

でももう耐えられないと言っています。
「別の恐怖」とは何か。
ここはサビの「全部消えて無くなる」に繋がるのではないかと思います。

「全部無くなる」のが怖いからもう欲望を抑えなきゃ!と焦っています

おっと 罪の香り
抜き足差し足忍び足
おっと 罪の香り
逆らい難い嫌な匂い
おっと 罪の香り
気付いた時にはまだ早い
ちょっと もうヤメたり
全部消えて無くなる前に

罪の香り/藤井風

解説罪、これは不道徳に当たると思います。

「抜き足差し足忍び足」おもしろい表現ですね。
気付かないうちにやってくることを暗示しています。

そして「気付いたときにはまだ早い」
私の好きなパートです。ここで優しさを感じました。
普通なら「気付いたときにはもう遅い」ですよね。
今気付けばまだ間に合うんだよ」という猶予をくれています。

もうヤメたりは、言うまでもないかもしれませんが、「~したり、~したり」という意味ではなく、「もうやめてあげて!」という意味です。
これは自分を客観的に見て言っているのだと思います。

そして肝心の「全部消えて無くなる」
この「全部」とは何か?

あなたの欲望によって無くなるものは何ですか?

これは例を挙げるのなら
信頼、愛などの大切なものを指しているのだと思います。

罪の香り 2番

ほんの少しだけで それだけで
ふりだしに帰り得るもの
でも藻掻いた分だけ 強くなって
救いは必ず来るもの

罪の香り/藤井風

解説このパートは優しさに溢れています。

ほんの少しだけ道を踏み外したらふりだしに帰ると言っています。
しかし、終わりではないと言ってくれています。
つまり、「また始めからやり直せるよ」という含みをもたせてくれているのではないかと思いました。

そして、藻掻いて自分の中の欲望と戦っていたら、その分強くなって努力が報われる日が来ると。

エゴはやかましいのよ ちょっとお席外しといてよ
誰も 何も 座れないとこ
神聖な場所 もう邪魔でしかないの

罪の香り/藤井風

解説ここは「怠惰がうるさいのよ」と対応していますね。

エゴ」とは自分の欲求や満足感だけを追い求めることですよね。
自己中心的な欲望は、欲望の中でも悪質なものですよね。

「神聖」とは清らかで汚れがないことなので、欲望とは対照的ですよね。

では神聖な場所とはどこか?
ここが個人的にこの詩で最も解釈が難しいところでした。

私の答えとしては、おそらく自分の心だと思います。
詩の2番で全てを失う前に気付いた主人公は、少しずつ欲望を克服してきていますよね。

自分の心に誰も何も入れないようにする=考えないようにしているのだと思います。
そこにエゴが入ってきそうになったため、きっぱりと追い出そうとしているのだと思います。

欲望 しつこいのよ 消えたそばから現れないでよ
懲りもせんと 付きまとうのも
これで最後よ 鼻が利きだしたのよ

罪の香り/藤井風

解説ここで欲望という単語が明示されます。

鼻が利くとは、「敏感になる」ということですよね。

詩の1番では怠惰が勝っていましたが、今は理性が「ショボくない」ので、もう欲望と決別すると強く心に誓います。

もう恥じることなんてない 他に怖いものなどない
もう恥じることなんてない 他に怖いものなどない

罪の香り/藤井風

解説欲望に打ち勝った今、もう欲望に負けていた過去を恥じることはない
そして、欲望の他に怖いものなんてないと言っています。

罪の香り、優しい歌

いかがでしたでしょうか?
現代社会は、欲望に溢れた時代ですよね。
物が溢れ、お金を必死に求め、人との繋がりを求め、愛を求め・・・。

そのような中で間違いを犯したとしても、振り出しには戻るけどまたやり直せるという「赦し」にも繋がる優しい歌だと思います。


この曲を初めて聞いた時、新鮮さと懐かしさを同時に感じました

私はスペインに住んでいたのでラテン系の音楽はよく聞きます。
そこで懐かしさを感じたのだと思います。
その上でプログレ、ラテン、ジャズの融合ということで新しさも感じました。

聞いているだけで熱くなるような歌でありながら、歌詞はこれまでの不道徳を受け入れてくれるような優しい歌だと思います。

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