米津玄師の『Lemon』本当に名曲!この曲に隠されたメッセージをもっと知りたい!
そう思ったあなた!
この記事を読めばこの詩の魅力がさらにわかります!
オラ!アジャノです!
普段は音楽の記事を書いています。
今回は米津玄師『STRAY SHEEP』徹底解説第2弾!
彼の代表曲とも言える「Lemon」に込められたメッセージを徹底解説&考察します!
歌は様々な解釈があった方が素敵なので、個人の解釈として参考までにお願いします!
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【米津玄師/Lemon】歌詞の意味考察!悲しみにそっと寄り添う曲
このミュージックビデオは2018年2月に公開されたのですが、既に再生回数が5.8億回を超えています(2020年6月現在)
日本のアーティストは3億回再生以上を達成したことがなかったので、それを大きく上回る伝説のミュージックビデオとなりました。
さて、この曲について彼はインタビューに答えているのでそれを参考に解説をしていきます。
・米津玄師「Lemon」インタビュー
・米津玄師『Lemon』インタビュー
彼はドラマの主題歌としてもともと死をテーマにした曲を書いていたのですが、作曲の最中に祖父を亡くし、「死」というものが確固たる事実として現れた時にそれを改めて考え直したと言います。
曲名はもともと「Memento」(形見という意味)だったのですが、鼻につく感じがしてやめたと語っていました。
そして「胸に残り離れない苦いレモンの匂い」この一節がふと浮かんだ時、どうしてもレモンでなければいけないと思ったと言います。
彼の歌は果実の曲がいくつかありますが、それは果物が人間に似ているからだと言っていました。
色鮮やかで見た目が美しいと。
この曲は死の辛さを優しく包み込むような、励ます曲ではありません。
彼曰く「あなたが死んで悲しいです」とずっと言っているだけの曲になったと。
しかし、それがこの詩の魅力だと思うのです。
その理由は歌詞を詳しく見た後、最後に説明します。
そして、これは恋人との死別と思われがちですが、彼の体験からもわかるように家族や友人との別れにも当てはまると思います。
それでは歌詞を詳しく見ていきます。
Lemon 1番
夢ならばどれほどよかったでしょう
Lemon/米津玄師
未だにあなたのことを夢にみる
忘れた物を取りに帰るように
古びた思い出の埃を払う
解説:あなたはもういない
どうかこれが悪い夢であってほしい、そう願う姿が鮮明に浮かびます。
そして、忘れ物を取りに帰るように、月日が経っても何度も「あなた」との思い出を思い出してしまう。
戻らない幸せがあることを
Lemon/米津玄師
最後にあなたが教えてくれた
言えずに隠してた昏い過去も
あなたがいなきゃ永遠に昏いまま
解説:どんなことでも再スタートできるはずでした。
失敗して絶望しても私達はやり直すことができますよね。
しかし、「死」だけには抗えない。
「昏い」と「暗い」は違います。
昏いはぼんやりとしたことです。
彼は「死」はぼんやりしたものだと言っていました。
そして、その悲しみもまた受け止めきれないものであり、ぼんやりとしたものです。
きっともうこれ以上 傷つくことなど
Lemon/米津玄師
ありはしないとわかっている
解説:あなたを失った悲しみよりも深いものなんてない
わたしは立ち直れるとは思えない悲しみを背負っています。
あの日の悲しみさえ あの日の苦しみさえ
Lemon/米津玄師
そのすべてを愛してた あなたとともに
胸に残り離れない 苦いレモンの匂い
雨が降り止むまでは帰れない
今でもあなたはわたしの光
解説:どんな悲しみも苦しみもあなたがいてくれればそんな思い出も愛することができた。
「帰れない」
これは日常に帰れない、ということではないでしょうか?
涙が止むまでは日常に戻ることなんてできない。
「今でもあなたはわたしの光」
彼はインタビューでこの部分は客観的に見ると自分勝手だと言っていました。
ただ自分の思っていることを言っているという印象を受けると。
しかしその曖昧さにも良さがあると語っていました。
「あなた」から希望を見出しています。
一方で、勝手に「あなた」をそのようなものにしている自分に疑問を感じたのかもしれません。
Lemon 2番~大サビ
暗闇であなたの背をなぞった
Lemon/米津玄師
その輪郭を鮮明に覚えている
受け止めきれないものと出会うたび
溢れてやまないのは涙だけ
解説:死はあやふやなので、輪郭をなぞることで現れると彼は言っていました。
死は曖昧でも「あなた」の存在はどれだけ時が経っても鮮明に覚えている
そう言っているのではないでしょうか?
そしてただ涙を流すことしかできないような絶望に陥っています。
何をしていたの 何を見ていたの
Lemon/米津玄師
わたしの知らない横顔で
解説:ここで初めて「あなた」に直接語りかけているのに気がついたでしょうか?
今までは「わたし」の「あなた」への気持ちは語っていても話しかけていませんでした。
この歌詞の後半でリアリティーがぐっと増すのがこの歌の魅力だと思います。
「あなた」は死を目前にして何を考えていたのか?
そんなことをずっと考えてしまいます。
あなたの答えを聞きたくてももうそれはずっとできません。
どこかであなたが今 わたしと同じ様な
Lemon/米津玄師
涙にくれ 淋しさの中にいるなら
わたしのことなどどうか 忘れてください
そんなことを心から願うほどに
今でもあなたはわたしの光
解説:死後の世界、私達はどこに行くのか誰にもわかりませんよね。
でももし「あなた」が「わたし」がいないことで涙を流しているなら「わたし」を忘れてもいい。
「わたし」の切なくも強い願いが痛いほど伝わってきます。
「寂しさ」は物哀しい事ですが、「淋しさ」は涙が滴ることです。
自分が思うより恋をしていたあなたに
Lemon/米津玄師
あれから思うように息ができない
あんなに側にいたのにまるで嘘みたい
とても忘れられないそれだけが確か
解説:恋と聞くと恋愛感情を思い浮かべる人が多いのですが、実は元々の意味は違います。
「一緒に生活できない人や亡くなった人に強くひかれて、切なく思うこと」です。
まさにこの意味で使われているように思えます。
あなたがいなくなってからは生きている心地もしない。
そして1つだけ確かなのは
「わたし」は「あなた」のことをこれからも忘れないということ。
あの日の悲しみさえ あの日の苦しみさえ
Lemon/米津玄師
そのすべてを愛してた あなたとともに
胸に残り離れない 苦いレモンの匂い
雨が降り止むまでは帰れない
切り分けた果実の片方の様に
今でもあなたはわたしの光
解説:「レモン」の切り口をご覧ください。
この形が「光」と書いているように見えませんか?
そして2人が一緒だったから1つのレモンとなり、悲しみや苦しみも乗り越えることができたと言っているのではないでしょうか?
Lemon、死とは何か
いかがでしたでしょうか?
前半で死を励ましてないことがこの歌の魅力だと書きました。
死の痛みってその人にしかわからないものですし、死は人が操れるものではないですよね。
この曲は「悲しみを癒そうとする曲」ではなく、「悲しみを吐き出す曲」ではないかと思いました。
人間の生死の美しさを描いた壮大な曲だったので、ここまでの人気を博したのだと思います。
今日も読んでいただきありがとうございます!