米津玄師の『感電』踊りたくなる!この曲に隠されたメッセージをもっと知りたい!
そう思ったあなた!
この記事を読めばこの詩の魅力がさらにわかります!
オラ!アジャノです!
普段は音楽の記事を書いています。
今回は米津玄師『STRAY SHEEP』徹底解説第6弾!
7月10日にMVが出たドラマ「MIU404」の主題歌でもある新曲「感電」に込められたメッセージを徹底解説&考察します!
歌は様々な解釈があった方が素敵なので、個人の解釈として参考までにお願いします!
米津玄師『感電』が収録されたアルバム【STRAY SHEEP】はこちら!
【米津玄師/感電】ドラマ主題歌の歌詞の意味を解説!相棒へ捧ぐ歌?
みなさんは「感電」と聞くと何を思い浮かべますか?
辞書的な意味では
「身体に電流が流れて衝撃を受けること」です。
これを意訳すると全く違うものに衝撃を受けることではないでしょうか?
ここはまさにドラマ『MIU404』と繋がっていますよね。
つまり伊吹と志摩は真逆ともいえるような性格ですが、その2人がお互いに「感電」することで化学反応が起き、事件解決へと繋がる。
そのため、この曲は
相棒へ送った歌
ではないかと思いました。
それでは歌詞を詳しく見ていきます!
感電 1番
逃げ出したい夜の往来 行方は未だ不明
感電/米津玄師
回り回って虚しくって 困っちゃったワンワンワン
失ったつもりもないが 何か足りない気分
ちょっと変にハイになって 吹かし込んだ四輪車
解説:この歌詞で「夜」は遣る瀬無さや不幸の象徴として描かれています。
主人公の「満たされない」気持ちが伝わってくる場面です。
どこへ行くかは決めてないけど、とにかく逃げたい
そんな感情ではないでしょうか?
そしてワンワンワンの部分。
ここはドラマが警察系のものなので、『犬のおまわりさん』をモチーフにしていると考えられます。
「吹かし込んだ四輪車」という歌詞が個人的に好きです。
この歌詞では車に関する表現が何度か出てきます。
兄弟よ如何かしよう もう何も考えない様
感電/米津玄師
銀河系の外れへと さようなら
真実も 道徳も 動作しないイカれた夜でも
僕ら手を叩いて笑い合う
誰にも知られないまま
解説:相棒へ語りかけます。
1番辛い時に一緒にいてくれる相棒ですね。
銀河系の外れ、つまり誰もいないような遠いところへ行きたいと思います。
なぜそれほどまでに「逃げたい」と思うのでしょうか?
それは真実も道徳もない街だから。
つまり、嘘と悪に溢れた街だからでした。
「そんな街とはおさらばして俺ら2人だけで楽しもうぜ」
そう言っています。
たった一瞬の このきらめきを
感電/米津玄師
食べ尽くそう二人で くたばるまで
そして幸運を 僕らに祈りを
まだ行こう 誰も追いつけない くらいのスピードで
解説:この一瞬輝く命を最後の最後まで2人で存分に楽しむ。
2人なら誰も勝てない。
強い意志が伝わってきます。
サビ前までは逃げたい気持ちが強かった主人公ですが、ここではもっと上を目指そうという前向きな気持ちも感じ取れますよね。
稲妻の様に生きていたいだけ
感電/米津玄師
お前はどうしたい? 返事はいらない
解説:稲妻は一瞬ですが、とんでもない威力ですよね。
まさに命の輝きに似ています。
そしてその稲妻は、主人公と相棒が「感電」することによって生まれるものなのです。
「返事はいらない」
主人公と相棒は全く違う性格ですが、心が通じ合っているので言葉を交わさずともお互いを理解しています。
感電 2番~大サビ
転がした車窓と情景 動機は未だ不明
感電/米津玄師
邪魔臭くて苛ついて 迷い込んだニャンニャンニャン
ここいらで落とした財布 誰か見ませんでした?
馬鹿みたいについてないね 茶化してくれハイウェイ・スター
解説:車を走らせてずっと遠くまで来ました。
主人公は願った幸運にも見放されてしまいます。
ハイウェイスターも車を彷彿させますよね。
つまり、ものすごいスピードで走り抜ける相棒の例えではないでしょうか?
「MIU404」ではまさに伊吹です。
そして、ニャンニャンニャンの部分。
犬のおまわりさんの「迷子の迷子の子猫ちゃん」から来ているのではないでしょうか?
細かい言葉遊びが巧みです。
よう相棒 もう一丁 漫画みたいな喧嘩しようよ
感電/米津玄師
酒落になんないくらいのやつを お試しで
正論と 暴論の 分類さえ出来やしない街を
抜け出して互いに笑い合う
目指すのは メロウなエンディング
解説:相棒とはよくぶつかり合います。
「お試しで」と書いてあるところから、傍から見たら洒落にならないやばい喧嘩ですが、実際はどんな喧嘩でもお互いに手加減を知っており、本気で相手を忌み嫌っているわけではないことがわかります。
正論と暴論の分類さえできない。
近年SNSでは相手を言い負かすために正論ではなく、暴論をよく目にしますよね。
それに警鐘を鳴らしているのではないかとも思います。
「そんな世界とは距離をおいて、最終的には俺たちだけで笑い合っていればいいよな」
紆余曲折はあっても目指すのは落ち着いた終わり方です。
それは心臓を 刹那に揺らすもの
感電/米津玄師
追いかけた途端に 見失っちゃうの
きっと永遠が どっかにあるんだと
明後日を 探し回るのも 悪くはないでしょう
お前がどっかに消えた朝より
こんな夜の方が まだましさ
解説:心臓を刹那に揺らし、追いかけると見失ってしまうもの。
これは命ではないでしょうか?
命は尊く美しく、高揚感を与えるものですが、それを追い求めると見失ってしまう。
それでも永遠はあると堅く信じる主人公。
今日、明日ではなく、明後日。
明日のこともわからないのに明後日を探す。
つまり遠い未来に思いを馳せるのも悪くはないと言っています。
この最悪な満たされない夜の方が、お前がいなくなってそれ以外満たされた朝よりもマシだと。
つまり、お前がいないなら何を手に入れても意味がない。
ここで初めて「お前」への強い友情、いや家族に注ぐ強い思いをちゃんと口にします。
肺に睡蓮 遠くのサイレン
感電/米津玄師
響き合う境界線
愛し合う様に 喧嘩しようぜ
遺る瀬無さ引っさげて
解説:「肺に睡蓮」
これ、実はフランスの小説が元になっています。
ボリス・ヴィアンの「日々の泡」です。
聞いたことがある人は少ないかもしれません。
とても簡潔に物語を説明すると
コランはクロエという女の子と恋に落ち結婚するのですが、その幸せも束の間、新婚旅行から帰ってきたクロエが肺に睡蓮の蕾ができる病気にかかります。
コランは医者に言われて彼女の周りに花を絶やさないようにしていたのですが、クロエはやがて衰弱し、亡くなってしまうというものです。
肺に睡蓮ができるというのはもちろん架空の病気です。
この物語から「肺の睡蓮」は一瞬の幸せや儚い命を表しているのではないでしょうか?
コランとクロエの幸せな結婚生活は一瞬でしたよね。
そして、ここの部分で前までと一転して曲調が変わりますよね。
「遠くのサイレン」とも言っていることから意識が朦朧としている状態を表しているように思いました。
生死をさまよい、主人公は相棒との日々を回想しました。
そして「これからも時々嫌な世界と距離を置きながら2人で生きていこうぜ」
そう言っているように聞こえました。
「愛し合うように喧嘩しようぜ」は『MAD HEAD LOVE』を彷彿とさせます。
最高のバディーに出逢えた主人公。
2人ならどんなことでも乗り越えていけると強く心に刻みます。
感電、言わなくてもわかりあえる仲
米津氏は、伊吹役である友人の綾野剛君にドラマを見た後、「最高の曲書くよ」と言ったそう。
まさに有言実行してしまうからかっこよすぎです。
言葉を交わさなくてもわかりあえる仲って素敵ですよね。
そのような友達がいるってまさに奇跡だと思います。
そしてこのMV、4:34辺り→0:28で永遠ループになることを気付きましたでしょうか?
様々な要素が散りばめられていて圧巻のMVでした。
今日も読んでいただきありがとうございます!
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